【R-1ぐらんぷり2020】総評 ※至極個人的な意見です
どうもこんにちは。
建築系投資家のチカトサ(@5atochika)です。
今日は先日無観客の中行われました、『R-1ぐらんぷり2020』の総評をしていきたいと思います!
今年はコロナウイルス拡散防止のため、無観客の中で行われましたね。
普段は建築系投資家として社会の歯車として働いていますが、年間100公演近く劇場に足を運ぶほどのお笑いオタクでもあるので、至極個人的な批評をしていきたいと思います。
お笑いが好きな方
お笑い芸人を目指している方
R-1グランプリを毎年見ている方
は是非読んで下さいね。
1.予選ラウンド
-
Aブロック
メルヘン須長
人気ドラマ「科捜研の女」の沢口靖子になりきってのフリップ芸です。
SNS事件簿としてSNSでのあるあるネタを腐して笑いを取るネタです。
あるあるネタに対してツッコミではなく、腐して共感を得ることで笑いを取っています。
フリップ芸の見どころとして、手書きの絵の絶妙なタッチがあります。
ピン芸人さんのフリップの絵はどれもシュールな絵が多いですよね。笑
個人的には、腐すネタの着眼点がとても面白いと思いました。
守谷日和
警察での取り調べが設定の一人コントです。
アリバイを証明するための動向を落語のように返して笑いを取っています。
「アリバイの再現が落語家のように上手い」というボケが面白いネタです。
一人コントでは通常ツッコミはいないので、ボケのみで笑いを取るのが基本です。
個人的には、一発目のボケから単調な流れの繰り返しだったように感じますが、とても面白かったです。
SAKURAI
アーティストになりきり、ギターを弾きながらの歌ネタです。
内容は「モンゴル」「ネパール」「アイスランド」etc...などとよくわからない括りの単語を連発し、最後に「ビーチバレーの根付いてない国」などと叫んで、括りのネタばらしをすることで、笑いを取っています。
前半のフリの部分では笑いは取れないので、最後のネタばらしで大きな笑いが取れないと厳しいネタになります。
個人的には、「どうでも良い括りだった」というところに落ちを持っていくところがとても面白いと思いました。
マヂカルラブリー 野田クリスタル
違法ダウンロードしたという「もも鉄」というゲームをプレーしながら、ツッコミを入れていくネタです。
プレーし始めると「もも鉄」とは言っても「桃太郎電鉄」ではなく「太ももが鉄のように硬い男てつじ」というオリジナルゲームだった、というところに最初の笑いが起こります。
後日わかったことですが、このゲームは本当に野田クリスタルさんが作ったオリジナルゲームであり、本場中に実際にプレーしていたそうです。
個人的には、「桃太郎電鉄ではない」という出オチに終わってしまうのではないかと思いましたが、ゲーム展開が2転3転と広がっていくところがとても面白いと思いました。
Aブロック結果
お茶の間投票、Twitter投票、審査員投票すべて最多得票の15ポイント獲得でマヂカルラブリー 野田クリスタルさんが通過しました。
4番目のネタ披露という点でもマヂカルラブリー 野田クリスタルさんにツキがあったのではないかと思います。
-
Bブロック
ルシファー吉岡
スーパーの休憩時間という設定の一人コントです。
ネタは同じ缶コーヒーの飲みかけが、自分のものか女子高生のものかわからなくなるというものです。
自虐的でもあり、男性的な笑いが好きな方にはとても面白いと感じるネタだったのではないでしょうか。
個人的には、ルシファー吉岡さん自身の見た目やキャラクターを屈指してのコントの設定と内容がとても面白かったと思います。
ななまがり 森下
コント「乳首隠せない男」という世界観の強いネタです。
上半身裸になって乳首を隠そうとするが、何故か中々隠せないというところに笑いが起こりました。
直前に披露したルシファー吉岡さんと同様、男ウケを狙ったネタになります。
個人的には、このような世界観の強いネタは一般ウケはとても難しいと思うのですが、それでも全力でフルスイングをしにいったななまがり 森下さんにとても好感を覚えます。
パーパー ほしのディスコ
彼女との会話をしている設定の一人コントです。
自分のプリンを勝手に食べた彼女に自白させようとした結果、彼女の浮気が発覚してしまうというところに笑いが起こりました。
「パーパー」でのコントと同様、ほしのディスコさんのこじらせ具合がとても面白いネタです。
個人的には、自分のキャラクターを売りにした一人コントは哀愁があって好きなのでとても面白いと思いました。
すゑひろがりず 南條
日本の伝統芸能と「今昔跨ぎ」というシステムを用いたネタです。
「今」から「昔」の線に行き来する際に、現代の言葉の言い回しが「昔」の言葉に変形するところに笑いが起こります。
このようなシステム系のネタは、システムそのものを考えるのも大変ですが、その上にくる題材もとても重要になります。
個人的には、あまり練習の成果が見えない方が、システムそのものに注目がされないので良いのではないかと思いましたが、とても面白かったです。
Bブロック結果
お茶の間とTwitterの得票が多かったすゑひろがりず 南條さんが通過しました。
やはりAAブロックのマヂカルラブリー 野田クリスタルさんと同様、最後にネタを披露したことが優位に働いたのかもしれませんが、この結果には納得だと思います。
個人的には、ななまがり 森下さんのような世界観の強い、男ウケのみを狙ったようなネタが通過しても良いのではないかと感じています。
-
Cブロック
ヒューマン中村
妖精の声が聞こえてくるという設定の一人コントです。
脳に声をかけてくる妖精がボケてくるのに対し、ツッコミを入れることで、笑いが起こります。
妖精というファンタジーなキャラクターにボケ役を担わせることで、そのギャップでも笑いを誘います。
個人的には、妖精の音声が展開する絶妙なボケの連続がとても面白いと感じました。
おいでやす 小田
ヤクザになりきり、フリップ芸を展開していくネタです。
内容はヤクザが使う言葉をフリップにして、言い回しを巻き舌にして訂正していくというネタです。
フリップで笑いを取るのではなく、フリップをフリに使って笑いを取っています。
個人的には、ネタそのものよりもエンディングでのおいでやす 小田さんの駄々をこねるくだりがとても面白かったです。笑
ワタリ119
消防士のことをネタにしたフリップ芸です。
119枚という大量のフリップを使い、高速フリップを展開していきます。
高速フリップなので小ボケの連続なのかと思いきや、中身は上手く構成されたネタになっています。
ツッコミなしにフリップでボケるというネタです。
個人的には、そのキャラクターを活かしながらも上手くフリップで笑いを取っているところにとても好感が持てました。
ただ一つ残念なことに、無観客でなければもう少し笑いが起こっていたのではないかと思います。
復活ステージ1位 大谷健太
フリップに描かれた絵を早口で言うネタです。
シュール状況が描かれた絵を早口で言うことで、笑いを取っています。
通常、ボケに使うフリップにはツッコミを入れることで笑いを取りますが、敢えてツッコミは入れずに早口言葉に置き換えることで、シュールな状況を際立たせて笑いを取るという高度なテクニックを用いています。
個人的には、フリップ芸×早口言葉という新しい試みに好感を覚えます。
Cブロック結果
お茶の間投票とTwitter投票はワタリ119さんでしたが、審査員投票で票を伸ばした大谷健太さんが決勝進出しました。
Aブロック、Bブロックと同様、最終披露のネタが通過していること、審査員票が多く入っていることから、やはり最終披露のネタは印象に残りやすく、有利に働くのかもしれませんね。
また、先ほども書きましたが無観客でなければ、ワタリ119さんは通過していたかもしれませんね。
2.決勝ラウンド
各ブロックを勝ち抜いたのは、
Aラウンド勝者:マヂカルラブリー 野田クリスタル
Bラウンド勝者:すゑひろがりず南條
Cラウンド勝者:大谷健太
です。
マヂカルラブリー 野田クリスタル
ネタは 一本目と同様、オリジナルゲームをプレーするネタです。
「モンスト」と言いながら、実際は「モンモンとするぜ!!ストッキング姉さん」という古臭いアプリのゲームです。
このアプリも一本目と同様実際に、野田クリスタルさんが作ったゲームで実際に本番でプレーしているそうです。
ゲームをプレーしながらツッコミを入れていくスタイルで笑いを取っていきます。
個人的には、このネタのことを考えながらゲーム制作をしていることを想像するととても面白いですね。笑
すゑひろがりず南條
「またぎ・ザ・ベストテン」という歌番組形式のネタ。
一本目と同様、線を超えると日本の伝統芸能のような歌になるというシステムを用いたネタです。
誰もが知る有名な曲を、古風に歌うとこのような言い回しになる、というところで笑いを取ります。
個人的には、システムというよりも歌唱力の方に注目がいってしまいました。
大谷健太
「2コマまんが」というフリップ芸。
1枚目でフリを作り、2枚目で落とすといった内容。
2枚目のレパートリーはシュールなものや天丼など見ている人を飽きさせないように工夫したネタにして笑いを取っています。
個人的には、大谷健太さんのフリップのネタ芸の言い回しがとても上手いと思いました。
決勝ラウンド結果
これまでの流れから最後にネタを披露した大谷健太さんが優勢かと思われましたが、マヂカルラブリー 野田クリスタルさんに軍配が上がる結果となりました。
個人的には、割とクセの強いネタを披露した野田クリスタルさんが優勝したのは、無観客での開催だったことも、追い風になったのではないかと思います。
3.「ピンネタ」という最難関のお笑いについて
R-1ぐらんぷりはM-1やキングオブコントに比べてまだまだ軽視されがちな大会ではあります。
しかしながらピン芸は漫才やコントよりもネタの自由度が高く、何でもありな反面、ネタのチョイスなどもとても難しいと思われます。
周りのネタや披露するネタ順で大きく審査が変わるため、色々な変数に対応しなければ勝ち上がることは出来ません。
まさに最難関のお笑いと言えるでしょう。
4.総評 決勝の舞台まで残った芸人さんに敬意を表しましょう
ここまで好き勝手に批評をしていましたが、最終に残った12名の芸人の方には敬意を表したいと思います。
特に優勝されましたマヂカルラブリー 野田クリスタルさんは、18年前から学校へ行こうのお笑いインターハイで優勝し、またM-1、キングオブコントと決勝まで行くなどネタには
また、12名中5名が普段はコンビで活動している中でのピンネタと言うことも特筆すべき点です。
それだけR-1ぐらんぷりは激戦区でレベルの高い大会になってきているという証明です。
ルシファー 吉岡さん、おいでやす 小田さんは何度もこのステージまで勝ち上がってきており、この実績は世間的にもっと評価されても良いと思っています。
個人的には、ななまがり 森下さんのような男ウケを狙ったような世界観系のネタを思い切ってフルスイングして勝負する芸人さんが増えること期待しています。笑
5.まとめ
何度も言いますが、今大会は無観客だったからこその結果です。
お客さんの反応によっては大きく審査が変わります。
個人的にですが、これから先もずっと無観客で良いのではないかと思います。
まぁどちらにせよ、ピン芸人やピンネタを披露される芸人さんがもっと評価される時代が来ると良いですね!
それでは今日はこの辺で^^